こちらの記事では、非弁行為について解説しています。どのような行為が非弁行為にあたるのかに加え、リーガルチェックツールを使用する際の注意点もまとめています。ぜひツールを使用する際の参考にしてみてください。
弁護士資格を持っている人のみが行えると法律で定められている行為について、弁護士資格を持っていない人(または会社)が行うことを「非弁行為」といいます。もし非弁行為を行うと犯罪に当たり、処罰されます。
弁護士は「弁護士法」に厳格な資格要件が定められています。その上で、弁護士職務基本規定などのルールに従って仕事をしています。
もし非弁行為が許されてしまった場合、さまざまな状況が考えられます。例えば本来は正当に行使できる権利があったのに、非弁行為を行う人物に手打ちにされたことで権利が行使できない状態にされてしまう、非弁行為を行う人物に強く迫られたためにお金を支払ってしまった、といった形で被害が発生することも考えられます。そのほか、本来は権利を行使できないにも関わらず、正当な権利行使であるかのように装うといったケースも出てくるかもしれません。こうなると、法律秩序を乱してしまいます。このような状況に陥るのを防ぐために非弁行為は禁止されています。
弁護士ではない者、または弁護士法人ではない者が、報酬目的で他人の法律に関する事務を行うことは禁止されています。例えば、訴訟や示談交渉における代理や法律相談などを、報酬を受け取る目的で行ってはいけません。さらに、「業として」とあることから、仕事や業務を目的としていなくても、法律に違反したとみなされる可能性もあります。 ただし、2002年より認定司法書士は「簡裁訴訟代理関係業務」を行えるようになりました。このことにより、認定司法書士であれば簡易裁判所における140万円までの民事訴訟手続や即決和解手続、証拠保全の手続きなどの代理人になることができます。
弁護士や弁護士ではない人が、他人から譲渡を受けた権利を実行する行為などが禁止されています。例えば、他人から債権を譲渡してもらい、業としてその取り立てを行った場合には非弁行為となります。
ただし、法律によって特別に認められている場合には、弁護士ではなくても譲渡を受けた権利の実行が認められるケースもあります。弁護士のふりをした標示、すなわち紛らわしい標示を禁止しています。わかりやすくいうと、弁護士ではない人が弁護士であると名乗る、法律事務所という標示・記載を行うことを禁止しています。 また利益を得る目的で、法律相談や法律事務を取り扱う点を標示・記載することもできません。さらに、弁護士法人ではないものが、名称に弁護士法人や類似する名称を用いることも禁止されています。
ユーザーが入力した内容を元にして、個別案件に合わせた具体的な契約書等の案を提示するようなケースは、弁護士法上の法律事務に該当する可能性があります。
一方で、定型的な内容や選択肢からユーザーが項目を選択し、前もってシステムに登録されているテンプレートが選別されて標示されるケースなどについては問題ないと考えて良いといえます。例としては、企業名・日付、委託内容、金額などを入力すると、あらかじめ用意されていた雛形に反映されて表示が行われるようなケースは問題ないと考えられます。
契約書に記載されている内容について、個別事案に応じた法的リスクの有無やその程度が表示される場合、個別に具体的な修正案が標示されるケースについては、弁護士法上の法律事務に該当する可能性が高いと考えられます。
その一方、確認したい契約書の案とあらかじめ登録されている雛形との違いを表示するようなケースについては、問題ないでしょう。2種類の文章の異なる点・類似点を単純に表示するようなものは法律事務には該当しないと考えられます。
契約書等を管理する中で、個別事案に応じた法的リスクの有無・その程度について表示が行われる場合や、個別の法律対応の必要性について表示が行われる場合には、法律事務にあたると考えられます。
一方で、例えば契約関係者、契約日、履行期日、契約更新日など文言に応じて分類や表示が行われるだけのサービスや、事前に登録しておいた期限にセットされているアラームやリマインド機能、契約当時のメモ書きを自動表示するといった機能については、法律事務に該当しないと考えられます。
非弁行為とは、弁護士以外の者が報酬目的で他人の法律に関する事務を行うことを指しています。リーガルチェックツールを使用する場面においても、どのような行為が非弁行為にあたるのかをしっかりと認識した上で使用することが大切であるといえます。
「定型的な文書のレビュー」、「契約書の形式面の作業」のふたつの業務を高次元で遂行できるツールは存在しません(2024年6月時点)。
ここでは、導入事例が豊富なリーガルチェックツールを「定型的な文書のレビュー」、
「契約書の形式面の作業」に分けてピックアップしています。
・煩雑な作業で自身の経験やナレッジを有効活用できず、大事なレビューに集中できない
・体裁を整えるなどの形式的な作業に膨大な時間を費やしている
・契約書の量・種類が多く、チェック工数がかかる
・キャリアの浅い社員が行う契約審査の品質がバラバラ
・契約審査を弁護士に依頼しているが、時間もコストもかかる
・知識に乏しいため条文のニュアンスの誤認や抜け漏れがないかが不安